TOD2連載18年後 ホープタウンにて
3.手の形【貴族型・】遊んで症候群
今日もロニが にヒールをかけている。
そういう時は決まってそれを見守る坊ちゃん。
「なぁ」
「なんだ」
「なんか、見られてるとやり辛いんだけどよ…?」
「あんたがスケベ心起こしたら大変だからいいんじゃないのかい!?」
すかさずナナリーがナイスつっこみを入れる。
彼女の女友達はのきなみナンパされていてナナリーのロニに対する評価は厳しいものがある。
「そ、そんなことしねーよ!」
と、いう彼の大きな手の上にはほっそりした の手がちょこんと載っている。
はっきりいって殆ど意識しないがこう見てしまうとやはり違うものだなぁと思う。
…ロニの手が必要以上にがっしりしているせいもあるのだろうが。
「だったら無用に狼狽えていないで、早くしろ」
「なんだよ、もう」
ぶちぶち言いながら彼は再び施術を始めた。
…そういえば坊ちゃんてば の手に触れることなんてないなぁ…
記憶にある限りで二回。
一度はあの海底洞窟で、二度目はつい昨日いじめ心を起こして(?)怪我した手を握りしめたくらいだ。
もっとも二人ともあまり人に気安く触られるのが好きでない方だから…
と言いたいところだけど、カイルなんて に抱きついたことがあるし(※注.オベロン社廃坑)ロニはここのところ毎日これなんだよね。
ひょっとしてさりげに気が気でなかったり…
───なんて言ったら絶対否定されるんだろうな。
4.下心≧親切
「っ…ジューダス、助けてぇ」
「?」
間抜けた声に坊ちゃんが長屋の奥へと足を運んで絶句した。
「…何をしている……………?」
かろうじてそう問う前ではベッドの上で が上着を脱ぎかけて止まっている。
片手で脱ごうとしてそのまま動けなくなったらしい。
「…ちょっと…ひっぱって」
「ば、馬鹿を言うな!ナナリーにでも頼め!!」
…坊ちゃん、ナナリーはさっき外出してそのままです。
もそれを知っているから坊ちゃんに助けを求めたんだろう。
「ナナリーが戻ってくるまでこの格好でいろと…?」
むしろどこか悪くなりそうな格好だ。
しかし、彼女はまがりなりにも女の子であり、さすがに坊ちゃんでも手を出すのが躊躇われるのもわかる。
彼女にとってはそういう問題ではないらしく、手を貸してくれないと見限ってもう一人の仲間を呼んだ。
「もう~…ロニ、ロニ!ちょっと来て」
「ば…っ」
「どうしたんだよ…ってうおっ!?」
何、やってるんだ…?
ロニは坊ちゃんと似たような反応を示した。
「服が脱げない。手伝って」
「よし来た!待ってろ!!」
ちょっと待て。
その後の反応は対照的なものがある。
坊ちゃんはあまりの見え見えの下心にそれを止めた。
「なんだよ、仲間が苦しんでるんだぞ?!早くなんとかしてやろうって気にならないのか!?」
「その不自然な言い回しでは、任せたらろくなことになりそうに無い」
「だったらお前が手伝うか?」
「…」
「どっちでもいいから早くなんとかして。」
なぜ はこうも無頓着なのだろう。
普段、他人との線引きがシビアなだけに信頼と言えば信頼なのだろうか(違う気もする)。
ちなみに、彼女、脱げないのは上着だけだから下のTシャツとかひっかけないよう脱がしてやればどーってこともなさそうだ。
早くなんとかしてやった方がいいんじゃないだろうか。
「大体、それくらい自分で脱げるだろうが!」
「…何かひっかかってて…」
「何してるんだい?」
ナイスタイミングでナナリーが帰ってきて着替えを手伝って結局事なきを得た3人。
「あぁ…ベルトの金具にひっかかっちゃったんだね。うーん、ボタンの服だと着づらいと思ったけど、逆にそっちの方がいいみたいだね」
「それかできれば薄い服」
「男どもはアテにならないからね」
「そんなことない、手伝うっていうのにジューダスがだな…」
「「{あんた・お前}には初めから期待できない」」
呼んだのは なのに、散々な言われようだ。
もっとも、彼の場合は日ごろの行いのせいというべきか。
カイルたちと合流する日はまだ遠い。
