「じゃじゃーん!猫にしてみましたぁ!!」
「「「は?」」」
今日も今日とて、意味のわからないことを言い出したのは天才様だった。
−猫日和−
このパーティにおいて、訳のわからないことを言い出す人間は何人かいる。
女のこととなればロニ=デュナミスであるし、
会話の途中の天然ぶりであるならカイル、
唐突さであれば
も負けていないが、彼女の場合は決して賑やかではない。
ついでにいうなら誰かをターゲットとしたものではないこともあるだろう。
この何かをターゲッティングしている唐突さといえば…
ハロルド=ベルセリオスその人でしかない。
「何の話だ」
「だから、猫にしてみたの」
「何を」
無言でその指先が示した方に視線が集う。
そこには…
「
!!!!?」
いつもと変わらない
の姿があった。
「ってどこが」
思わず驚いたものの、どこが変わったというわけでもなく拍子抜けしたようにロニ。
は黙ってそんな彼の動向を見ている。
「変わってないよね」
「ホント、もうびっくりしたわ」
あはは、とカイルとリアラ。
しかし事件はその直後に明らかになった。
「まぁ
は犬って言うより確かに猫だろうがな〜」
ロニが
の方へ手を伸ばした瞬間。
びしり、と跳ね除けられた。
「は?」
ジリジリジリ。
警戒のまなざしで後退。
「ふむふむ。ロニは何らかの警戒の対象なのね。というか、警戒されない人間の方がレアかしら〜」
「ちょ、待てってまさか本当に!?」
なにやらメモりはじめたハロルドに顔面蒼白になるロニ。
はといえば、一定の距離を取ったら取ったで変わらない調子で、かつ一方、一同の動向にさりげに視線を据えている。
猫だ。
仲間たちはフィーリングで悟った。
「おい、こんなことをして何の意味がある?」
「意味がなきゃやらないわよ。なくてもいいけど」
真意がどちらかはさておき、どうやらは中身を猫にされてしまったらしい。
外見まで変わったら変わったで、それも神業である。
「猫っていっても中身…よね?」
「いつになったら治るんだい?」
さすがに心配そうなナナリー。いつ治るのだかもデータ採取の対象なのだろうとは思い至らない。
それをジューダスに指摘されても、ハロルドはけたけたと笑うだけだった。
「どうしたんだい?楽しそうだね」
「あ、兄貴」
楽しそうか?
突如、現れたのはカーレルだった。
ラディスロウの通路は狭くない。
とハロルドの背後に現れたあたり、受ける温和さに反した侮れなさが伺えるのは気のせいだろうか。
にこにこと笑う兄ににこにことハロルドは笑いながら今の状況を説明する。
「へぇ、猫か。…撫でてみてもいいのかな」
「やってみれば?」
「危ないですよ、カーレルさん!!」
兄がひっかかれてもいいのか、ハロルド=ベルセリオス。
ロニがあわてて止めようとするも
なでなで。
意外なことに
は嫌がらなかった。
「!!!!?」
そこまで驚愕することないだろうというくらい愕然としている仲間たち。
まぁ今まで一緒だった自分たちが「警戒の対象」でついこの間会ったカーレルがこれではショックといえばショックなのかもしれない。
それどころか、
はにっこりと笑顔を浮かべて自分からカーレルに一歩近寄った。
さきほどのけんもほろろな態度とは正に天と地の差。
この「意外な結果」に嬉々としているのはハロルドくらいなものだ。
カーレルも「猫だね」などと言いながら喜んでいる。
「
!!」
びくぅ。
唸るような気迫で彼女を呼んだのは果たして、ジューダスであった。
仮面の奥の表情は伺えないが、近寄りがたいオーラが出ているのは事実だった。
はきょとんと振り返っていたが…
「こっちに来い」
間(ま)。
「こっちに来いといってるんだ、聞こえないのか?」
にっこり。
その壮絶な笑みにカイルは「ジューダスが壊れたー!」などと泣き出しそうな始末だ。
ある意味、パニック極まれり。
「ほぅほぅほぅ!!どうでるかしら!?」
きゅぴーんと目に星を輝かせながらペンを手にしてたハロルドの手にも力がこもる。
なにやら当人をさておき嵐が巻き起こっているようだが、猫はあまり気にしていないようだった。
ててて、
ぴたり。
「おや、取られてしまったね」
呼ばれて寄り添う姿にカーレルがあっさり降参すると、ふん、とジューダスが勝ち誇る。
「なんで!?なんで俺は駄目でジューダスはいいんだよ!」
「わぁーほんとに猫っぽいのね!」
「かわいいかも!」
触らない程度にとりまいたカイルたちにも、好評だった。
だが、「すりすり」されそうになってジューダスが本当に困る羽目になったのは直後の話。
あとがき
久々のTOD2です。
アンケートで甘テイスト希望があったのでこんな感じで。
甘…?(とりあえずジューダスがいまさら初壊れっぽい)
