If! If! If!
If(1回目) 決戦前夜。
「みんな、神のたまごが出現したわ!」
「1000年前にこの星に落下した彗星を落として、人間を消すだなんて…許せないよ!」
「絶対に止めるんだ!……オレたちの手で!!」
エルレインの最終審判は、人類の抹消だった。
かつて、天地戦争の引き金となった彗星の落下による世界の崩壊。
同じことを引き起こし、その衝突のエネルギーにより神を降臨させる。
エルレインも、追いまれていたということだろう。
「私は今頃気づいてしまったんだけどさ…」
夜。
それでもはるか遠くの空にまだ小さく光る彗星を見上げながら
はジューダスと静かに風にそよがれている。
「あの彗星が世界崩壊の発端なら、つまるところこの世界すべてのレンズ、ってことだよね」
「……」
なぜ、そのようなことに気づくのか。本当に今更である。
なお、ジューダスは気づいていなかった。
しかし、言われれば確かに。
天地戦争以前の記録はほとんど残っていないので、すっかり忘れ去られているが、そもそもダイクロフトは、彗星落下によりもたらされた
長い氷河期のような時代から、粉塵を降らす雲の上へ逃れる起死回生のために作られたものだった。
その動力は、神の眼。すなわち、世界最大級のレンズだ。
そしてレンズとは、皮肉なことに落下した彗星によりもたらされた、本来この星にはないはずの永久機関にも匹敵するエネルギー源だっ
た。
つまり、彗星=全世界のレンズ、である。
「そうだな……」
かろうじて同意をつぶやく。事実には違いない。
「なんでエルレインはそれを使って、さっさと人類を消し去るとか、フォルトゥナを降臨させないんだろう。そこに世界最大のエネルギー
源があるのに」
……灯台下暗しとはこのことだろうか。
「そうだな」
ジューダスの返事は半ば受け流しである。
「……でももっと考えてみたら、寄進なんてちまちま集めてないで、エルレインは時間移動できるんだから、最初から、はじめの彗星落下
の時代に行って、そのエネルギーでフォルトゥナを降臨させれば、一番早かったのでは」
「そうだな……
とりあえず、お前はそのことを他の奴らの前で絶対に言うな」
特にエルレイン。
と、まぁないことだろうが釘を刺す。
同時に思った。
こいつが聖女だったら、
今の世界は聖女の発現から、1か月と経たずに消え去っていただろう。
…………………………ジューダスは、最大限の努力でもって、考えることをやめた。
20191019筆(10.24UP)
「レンズパワーってなんだっけ?どこかに起源あった?」というネット上の名も知らぬ人の書き込みから発展した話。
レンズは天地戦争前に落ちた彗星のかけらだよ→はっ!エルレインそれ(神のたまご)召喚できるから使えばいいじゃない!→いや、そこ
までなる前に、天地戦争前に飛んでオリジナルの彗星使えば…?(なんで使わんの?)
(3時間後)あ、でも人から生まれた存在だしそんなこと知らんか。
と考えていったら、ジューダスに
がその話をしていて、ジューダスが一人で戦々恐々としているシーンが思い浮かび、ここに至りまし た。
全3回シリーズですが、3回目が個人的には必見というか、本領発揮。
