If−もしも− TODキャラが学園生活なんて送ってたりしたら。
**CAUTION**
ここから先はパラレルであり、一部、人間関係がありえない方向性に行っていたりします。問題の無い方のみお進み下さい。
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1.導入
「何か知らない大人が多いと思ったら…今日って保護者参観日なんだ?」
「もっと早く気づけ。」
某私立のマンモス学園。
妙に小綺麗な広い敷地を移動しつつ
はジューダスの隣で首をめぐらせた。
エスカレータ式のこの学園の敷地には、世代間交流とか何とかで小学生から大学生までうろついている。
中には私服のおっさんくさい学生もいるので気付かなかった次第である。
「あっジューダス〜
〜!」
移動教室のある研究棟に入るとカイルが手を振りながらやってきた。
「なんだ、次の時間は同じ教室か?」
「うん。化学室だよね」
私立ゆえの豊富なカリキュラムによりクラスや学年が違っても同席することは間々ある。
化学室に入ると今日はめずらしく彼らの友人たちが一堂に会していた。
「保護者参観…どこのクラス?」
「だから全体だ。」
なぜか、OLのような格好をしたおばさんが同じ室内にいたので、つい問うといい加減気付けとばかりの短い答えが返ってくる。
と、いうことはあの人の親やこの人の親も来るのであろうか。
なんてことを漠然と考えているとカイルははしゃいだ調子で気合を入れた。
「今日は母さんと父さんが来てくれるんだ!!」
「─────2人とも来るとは…そんなにヒマなのか?」
「失礼な。
…まぁ、カイルの方はルーティさんが来るとしても、俺にとってもスタンさんは親みたいなものだからな」
つっこむべきところなのか和むべきところかわからない発言で想い出に浸ってそうなのはロニだ(成人のくせに保護者参観?)。
「母さん、うちの弟分たちの入園提携させるって意気込んでたからなぁ…」
「参観でなく営業に来る気か?」
親切につっこみながらジューダスは実験用の試薬を用意している。
この授業は実演形式なので比較的しゃべりも行動も幅があって授業とは別の意味でも楽しい。
「
のうちは?」
「私、特推の区域外入学だから親、来ないよ。ってか遠くて来られないし」
「あぁ、参観日が記憶の対象外だった理由はそれか」
妙なところで納得しているジューダス。
授業はもうはじまっている。
「はい、今回は実験なので保護者の方もどうぞ一緒に参加なさってください」
教壇で教師が笑顔で声を張り上げるとそれぞれ我が子の元へ散り始める保護者たち。
「ジューダスのとこは?」
「前にも言ったろう。僕には家族は…」
「エミリオ、励んでいるかな?時間が空いたので来てみたぞ」
「…………」
「えっ!?お前家族いないんじゃなかったのか!!?」
唐突に現れたのは口ひげをたくわえたナイスミドルのおじ様だった。
にこやかに現れた彼と対照的に、ジューダスの周囲にはブリザードが吹き荒れそうな気配がしている。
「それにエミリオって…」
「僕はジューダスだ。人違いじゃないのか?」
「何を言う。エミリオは私の顔を忘れたとでも言うのか?!」
「こんなところで家族漫才始めないで下さい、ヒューゴさん」
「誰が家族漫才だ#」
来るはずのない人間が来て心中穏やかでないジューダス。
彼の家族構成を把握しているらしい
。
何が何だかわからないカイルとロニ。
「大体お前はこんなところにいる場合じゃないのだろう?日々、多忙を極めるのだろうが」
「可愛い息子の参観日とあれば執務室からも出てみようという気にもなるものだ」
「出てくるな。
おい、この授業で作れる薬は何だった?睡眠薬か?毒薬か。どっちでもいいからさっさと作るぞ」
そんな危険なもの、授業では作らないよジューダス。
「ふむふむ、こちらの棚にある材料も使うと簡素的だが爆薬も出来るな。エミリオ、試しに作ってみるか?」
…作ったところで貴方に向かって投げかねないので止めておいた方がいいと思います。
にこやかにヒューゴ。
腐っても科学者だ。
2.実験開始
「まぁ、2人は放っておいて実験を進めよう」
そんなこんなで、隣の喧騒は余所に教師の指示に注目している
。
「薬品が古かったり、濃度の間違い、器具の破損などで思いもしない結果が生じることがあります。必ず開始前は機器のチェックをして下さい」
「へぇ思わぬ結果って何だろうね。」
「頼むからわざと割合間違えたりしないでくれよ。」
「…」
「割合どころか別の試薬を入れたいなどと思ってるだろ」
「まさか」
「先生〜薬品の使用期限切れてるよ〜」
「あ〜その試薬は…常備用のストックも切れてたかなぁ。第二準備室にあると思うから新しいのもらってください」
「じゃあ私が行ってくる」
教師の渋った声に第二準備室へ足を向ける
。
この実験室には2つの準備室へ繋がる扉があって、1つは共用の物置のようなものだ。試薬があったり、実験器具があったり。
ちなみにホルマリン付けは生物室行きなので置いていないのだが、誰の趣味だか人体模型はおいてあるという不可思議な部屋である。
一方第2準備室は…
「いかん!そっちの扉は…!!」
ガチャリ。
鍵は開いていた。
実はこちらは「開かずの準備室」として有名だったはずなのだが。
「?」
なぜか制止したヒューゴの声に振り返る
。
その正面から何かピンク色の丸い物体が飛び出てきた。
「は?」
「きゃあっ何!!?」
飛び出てきたのは1つではない。
次の瞬間、実験室は得体の知れない物体の飛び回る異様な空間と化していた。
「…何、これ?」
「扉っ扉を閉めなさい!!」
「いや、閉めてももう手遅れだと…」
「他の有象無象が出てきたら大変だ!!」
────どういう意味ですかソレ。
教師の言葉に思わず問うてみたくなる
。
「そこはハロルド教授の準備室なんだ!!!」
あ、納得。
同時にパタム、と扉を閉めた。
きっとこの奥には他の見てはならないものもあるに違いない。
「大体、なんなんだこれは」
ジューダスが目の前に飛び込んだ物体をキャッチした。
「…」
沈黙───────
「…ウサギ?」
「いや、そんな丸いウサギはいないだろ?」
「かわいい!!」
「でも不味そうだよね」
…支離滅裂な会話が繰り広げられる室内。
それはぬいぐるみのようなピンク色のふわふわした生き物だった。
ウサギと言ったのは、耳が長くて、毛皮にうずもれるようについている鼻とヒゲがそれっぽかったからだ。
そしてつぶらな瞳。
「…解析くん2号、ってこんなウサギ型じゃなかったっけ?」
「誰が所有者かなんてそんなこと連想しなくてもわかるだろ」
カイルは楽しそうに謎の物体を捕まえに走っていた。
「よっしゃ!つかまえたー!!」
ガラリ。
その眼前で引き戸が音を立ててスライドする。
小柄な外見に見合わず堂々と仁王立ちするような格好で部屋を眺めたのはハロルド=ベルセリオスその人だった。
「あら〜派手に逃げてくれたわねぇ」
「!ハロルド教授、何とかしてください!」
「何とかって言われても…あ、丁度いいわ。そこの試薬使って1人囮に仕立て上げましょ♪」
「囮…」
「さ〜て、誰にし・よ・う・か・なっ☆」
ずざっ!
横並びに彼女の視界に入っていたジューダス・
・ナナリー・ロニ。殺気を感じてすかさずあとずさる3人。
「…志願なんて偉いわぁv誉めてあげるっ」
「えぇぇ!!?俺かぁ!!?」
結果、ロニだけがいつのまにやら一歩前になっていた。
「いや、だって囮って言っても…」
「大丈夫よ!この私が作った見るからに怪しげな薬を被ってくれれば!!!」
「自分で怪しげとか言うな!!」
明らかに現状を楽しんでいる彼女の様子にロニは思わず逃走を図ろうとしている。
「逃げるな。皆のためだぞ」
「キャラにない発言するな!俺1人が人身御供になればいいってのか!?」
「あぁ、まったくもってそのとおりだ」
「…っっっっ!!!」
ジューダス、自分の図り知らないところで物凄いカリスマを発揮している。
その言葉にクラスが一丸となって逃げようとしたロニを捕獲した。
わめきたてるロニに「はいっ☆」とハロルドは出来立てほやほやの薬をぶちまける。
「ぎゃあっ…!!なんなんだよ、これは!!」
「何ってあのうさちゃんの大好物の燃料よ!!」
…機械なのか?あれ。
関係ないところで疑問を感じている前で、一斉にうさぎもどきは動きを止めた。
常備用ストックが不足したのもそのせいかもしれない…。
「う…ぎゃああああぁぁぁぁっ!!!」
さながら磁石が砂鉄をひきよせるがごとく、一箇所にむけて踊りかかるピンクの物体。
しーん。
実験室の中心には巨大なピンクのまりもができてい た。
「…で、これどうやって準備室に戻すの?」
「うーん、人海戦術かしらね。手、貸してv」
「廃棄しろ#」
それ以前に、中でロニが窒息していないか心配だが、
とりあえず事態は収束した。
3.裏事情
散々な(だが、なぜか父兄たちは大満足そうだった)参観の後。
うんざりとした様子で研究棟入り口の階段に腰をかけて立ちあがることすら放棄したロニが思い出したように切り出した。
「ところでよ、ジューダスに親がいるって初耳だよな。」
「親がいなくてどう生まれると言うのか…試験管からでも生まれたと思ってた?」
「…そう言う意味じゃなくてだな」
確信犯なのだか違うのかどちらともつかない真顔で言った
に思わず返すロニ。
それも見た感じ、彼の父親と名乗ったヒューゴは、やり手そうで教師に顔も通っているようだった。
どことなく品もあって、はっきりいってロニとは疎遠なタイプだ。
「ジューダス、あんまり好きじゃないしねぇ…プライベートな話」
「ヒューゴさん、だっけ。どこかで聞いたことがあるような気もするんだよな」
「うん。それくらいはあるかもね」
はい。
となぜか
は学校のパンフレットを手渡してくる。
「?」
「中表紙から数えて3ページ目」
もらってもロクに見たことの無い分厚い案内だ。
はじめてロニは上から下まで目を通した。
「…私立オベロン学園総理事長、ヒューゴ=ジルクリスト…総理事!!?」
「あまり深く追求すると本気で怒るからそっとしておいてあげて」
深くどころかちょっとでも触ったら怒るだろうに。
大体、ファミリーネームが違うのだから…
なんだか、苦労しているには違いないと勝手に理解したロニはそれ以上、何も言わなかった。
─了─
あとがき(12.9)**
連載の異世界トリップが人生初ならこちらは初のパラレル学園物です。むぅ…学園物は難しい…
141440HITのキリリクは紗倉架那 さんより「学園パラレルギャグ」でした。
紗倉さん、ありがとうございます!
さて、パラレルなのに原作設定を(半端に)重視したこの設定は何なのか。
特推(トクベツ推薦枠)の区域外入学→異世界から来た人、反映。ついでにカリキュラム選択制にして年齢枠を取り払ってみました(笑)
みんな高校生でもロニやヒロインが実は大学部だったりしてもばっち問題無しです。
っていうか、保護者参観に三代で参加か、ジルクリストさん家は。
スタンたちはキャラに漏れず遅刻。もしかして校内で迷っているってのもありですが、話そのものより裏設定に物議をかもしそうな展開ですね(笑)
