あの、調べに乗せて…
世界に一つだけの野菜
(前奏―リオンと シン が買い物に来ている)
「この道のお店はあんまり来たことがないけど…メインストリートの方とは少し、雰囲気が違うね」
「旧王都というより市場だな」
八百屋の店先に並んだ
いろんな野菜をみーていた
ひとそれぞれ好みはあるけど
どれもみんな栄養ある♪
「野菜も陳列によって見栄えが違うね…ここのお店は投げ売りって感じだ」
「栄養なんて大して変わらないだろ。庶民としては安い方がうれしいんじゃないのか?」
この中で誰が一番だなんて
争う事もしないで
「有機栽培とかになると違うかもだけどね…あ、リオン、これ、どっちがいい?」
「……嫌がらせか? なぜにんじんとピーマンの二択なんだ!」
陳列棚の上 ジャンルごとに
たまには大袋で安売りだ♪
「なぜって言われても、セール品の選定はお店の権利だし…戦略的ににんじんとピーマンのみ大袋に入れて売るメリットが何か…」
「論理的に煙に巻こうとしても無駄だ。大体、なんだ、この量は。何人暮らしの食材だ!」
それなのに僕ら人間は
どうしてこうも比べたがる?
「軽く5人暮らしくらいで一週間くらい持ちそうだね…コスパはすごく良いのでは」
「質より量はルーティの専売特許だ。らしくもないことを言い出しても説得力がないぞ」
「栄養なんて大して変わらないってさっき自分で言ったじゃない。なら、どこで買っても同じだし。
どっちがいい?」
ひとつひとつ違うのにその中で
一番嫌いを決める~
「あからさまな笑顔で言われても、騙されない」
やさーい ぎーらい♪
「大体、ほかにも野菜はあるだろうが! そこでどうして二択なんだ!」
「袋に入って安売りされてるのは二種類だけなんだもん、二択で当然じゃない」
「だから、買わないという選択はないのか!」
世界に一つだけの野菜
「葉物も買うよ。水菜が食べたい」
「お前が食べたいものは買うのに、僕の食べたくないものも買うのか。おかしくないか」
一つ一つ違う味を持つ
「にんじんは持つんだから、いいじゃない。……そうすると、ピーマンは除外か。まぁにんじんの方が使いやすいかな」
「人の話を聞いてるか?」
「キャロットケーキをオレンジケーキと間違えて食べる人に言われたくない」
「! あれはお前が偽装して出してきたんだろうが! 同じ轍は踏まないぞ!」
その味に慣れーることだけに
「まずいって言わなかったくせに…」
「うまいとも言ってない」
一生懸命になればいい~♪
**20160220UP
昨日、買い物に行ったら、入口付近の棚ににんじんとピーマンがこれでもかってくらい詰まった袋がありまして…
二人暮らしには明らかに多かったのですが、なぜかにんじんとピーマンの二択であることに負けて、買ってきました。
そしたら、野菜室にすでに同じものが陣取っていました。

どーすんだよ…
この話はTOD1でも2でもいけそうですが、D3後であるなら 八百屋のバイト(彼女にひと月前にふられた)が復興拠点のスタッフ(三十路にリーチ)の友達とかで「二人が店先で痴話げんかしてた」とかあらぬ話題になる予感がします。
もうすぐ春ですね。
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