青い鳥(洸夜さん)
−青い鳥−
ハイデルベルグに泊まることになったカイルたち一行はそれぞれ自由行動を取っていた。
カイルはリアラと外へ。ロニは恐らくナンパ。それを止めにナナリーはついて行く。
ハロルドはというと何かの研究をしにどこかへ行ってしまった。
こうして残るのは
とジューダスである。
いつも通りなので何とも思わないが、2人とも同じ様に残るのは似たもの同士なのだろうか。
そんなことを思いながらもハイデルベルグ城の一室で
は外を見ていた。
見慣れてきた雪、ではなく珍しく晴れている空。
晴れていると言っても所々にぽっかりと雲に大きな穴が空くように晴れていた。
は何を思ったのか窓近くの椅子から立ち上がり、マントを手に取った。
「どうしたんだ?」
「ジューダス、外行かない?ちょっとした気分転換に。」
「別にいいが。」
「じゃあ行こう。」
外へ出ると辺りは午後の日の照り返しでキラキラと輝いていた。
はっきり言って綺麗を通り越して眩しいと言ってもいいかもしれない。
は少し目を細めた。今日は晴れているためかいつもより人通りが多かった。カイルたちの姿も見えない。
とジューダスは何も言わずに城下を歩いていた。冷たい空気が頭をすっきりさせているようだ。
はき出された息は白かった。しばらくして
は話し出した。
「今日は珍しく晴れているね。」
「そうだな。そのせいか雪の質が少し堅いな。」
「そうだね。ねぇ、ジューダス。青ってどう思う?」
「……青?」
ジューダスはその唐突な質問の意味が分からなかった。
それは青という色をどう思うのかそれとも色そのものについての本来の意味のことなのか。
は空を見上げていた。ジューダスもそれにつられて見上げる。
2人の見上げる先には透き通ったような青空があった。
寒いところでは塵が沈み空気が綺麗と言うがこういう事を言うのだろう。
「青って一纏めに言えば色の一つで終わりかもしれないけど…青が何処まで青とか考えたこと無い?」
「何処までが青……?それは青紫や青緑とかの事を指しているのか?」
「そんな感じのものかな。ほら、青って緑とも言うときがない?」
「……まぁ、なくはないな。」
「例えば青々と茂っているとか。本来葉は緑でしょ。」
「そうだな。……青柳も同じだな。」
「でしょ。由来としては昔は緑という言葉が無くて変わりに『あお』と使われていたところかららしいけど。」
「そうすると区切りが無いように見えるな。」
「まぁね。区切りをつけようとすれば出来るかもしれないけれど。実際、個人によって違うのが事実だね。」
緑は一番分かりやすい例だが、他も例外ではない。それに第一、色のことなどそこまで深く考える人などいないだろう。
色はある程度知ってれば別にいいのだ。これだから絶対にこれという絶対性もなく寧ろ自由性に溢れている方だ。
こんな話をすること自体あまり無い。
だから出てくる話題とでも言うのだろうか。
「あら?
とジューダスじゃないの。」
本通りからはずれた路地から声がした。
声の人物ピンク色の寝癖のある髪をふわふわと揺らして歩いてきたハロルドだった。
ハロルドは解析君二号・改を片手に持って言う。
ピンクのうさぎの形をしたそれはデータをまとめているようだ。
ハロルドはボタンを押してそれを閉じると
とジューダスを見る。
「ハロルド。何処いってたの?」
「ここら辺で昔とどう雪質が変化したかとか地質はどうだとか。他にもいろいろ調べてきたわ。」
さっきの機械でという。
ハロルドもよく調べるものだ。図書館では全ての本を読んでいたし、虫についても調べていたし。
「あんたたちはなにやってんの?」
「気分転換がてら散歩していた。」
「それと青について話してた。」
「青?面白そうね。」
ハロルドは興味津々に
を見る。
そんなハロルドを見て
はじゃあと青についての話題を再度あげた。
「こんなのはどうかな。青ってどちらかというと静かなイメージがあるでしょ。」
「そうね。海とかがいい例よね。」
「他には良い意味もあるんだよ。」
「……青い鳥、とかか?」
「そうそう。青い鳥の別名は希望の鳥ともいうしね。」
「青い鳥と言えば幸せになれるっていう話があるわよね。」
「そうだね。…だけど悪い意味もあるんだよ。憂鬱とか暗いのことで使われるしね。」
例えばブルーな気分とかと
は候補をいくつかあげた。
こう思えば青は意味が極端だとも言える。ふとジューダスは顔を空へと向けた。
どうやらさっきより雲が増してきたようで青空の見える部分がずいぶんと狭くなっていた。
もうそろそろ雪が降り出すだろう。気温も心なしか下がっている。
とハロルドもそれに気が付いたのか話をやめた。
「そろそろ戻ろっか。」
「そうだな。」
「じゃあ私もそうしようかしら。調べ終わったし、データの調整もしたいし。」
彼らはハイデルベルグ城へと足を向けた。
まだ青空の見える隙間からは午後の太陽の光が差し込んでいた。
ハイデルベルグ城までは目と鼻の先と言うところでふと
は後ろを振り向く。
「あ。」
は立ち止まり空を見ていた。
何事かとジューダスとハロルドは
を見る。そして次の瞬間、立ち止まった意味を知った。
「これは面白いわね。」
「あぁ。僕もこんなのは初めてだ。」
「写真に撮っておきたいね。」
彼らが目には鳥の姿をかたどった青空が映っていた。
オマケ
「カイル、青ってどこまでが青だと思う?」
カイル「青は青でしょ?」
ロニ「だよな。どういう意味だ?」
リアラ「ロニ、
が言いたいことは色の系統での話だと思うんだけど…。」
ナナリー「つまり、水色とか青緑とかの事かい?」
ジューダス「そういうことだ。」
カイル「え?水色は水色。青緑は青緑じゃないの?」
ハロルド「ちょっとした固定概念ね。まぁカイルらしい返答だわ。」
「そうだね。それもそれでいいのかも。」
あとがき**
この企画に参加させて頂きます洸夜です。
とっても緊張しています。内心大慌てです。
さんの口調はあっているとか、話が崩れてないかとか。
この話は『青』という色を主にしてジューダスと
(途中からハロルド)が話す話…のはず。
こうなったのは青ってよく祖母とかが緑とか言うんで気になっていて調べていたからですね。
あっているかは定かではありませんけど(汗)
ハロルドはTODのなかで3番目に好きなキャラので登場してもらいました。
シャルも出したかったんですけどそうすると時間軸的に可笑しくなってしまうので断念しました…
10-wiseさん、サイト運営頑張って下さい!では、失礼させて頂きます。
管理人コメント**
突拍子もないことを話し出す様子はヒロインらしいなぁと思います
ハロルドとジューダスと…三人揃うと独特の雰囲気が漂いますね(笑)
青→信号も緑だよなぁと思いつつ早云年。
楽しく拝見させていただきました。挿絵もありがとうございます。
