TOD2連載「INTERVAL 3rd」前後対応。
※欠番は拍手のみで掲載されたものです。
掲載期間:2005.8.28~9.2 シャル日記10 今度は体術!欠番
シャル日記11
時々…夜中に目を覚ますと、ふいに身を起こした一方が眠るもう一方をみつめたまま動かないことがある。
何事かと聞いてみれば一度だけ坊ちゃんが「…死んでいるんじゃないか」などということを言っていた。
もちろん冗談じみて皮肉を帯びてはいたけれど。
きっと本音だったんだろう。
二人とも寝息が静かだから注視しなければ息をしているのかがわからない。
だから不安を抱いて、何事もないことを確認しててからようやくもう一度、眠りに落ちる。
…お互い口にはしないけれど、「あの出来事」はやはり大きな痛手だった。
一度命を落としてしまったということは、ひょっとしたら次はいつそういう状態になるかもしれないと自負させてしまったのかもしれない。
あるいは「自分だけ生きていたら」という怖れがあるのかもしれない。
もちろんそれぞれの心の深い場所までは僕がわかるはずもない。
それでも、時が経つごとに少しずつ好転はしていくはずだから。
今は、安心して眠っていてください。
…僕がちゃんと見てますよ。
※欠番は拍手のみで掲載されたものです。
掲載期間:2005.8.28~9.2 シャル日記10 今度は体術!欠番
風のない夜
シャル日記11
時々…夜中に目を覚ますと、ふいに身を起こした一方が眠るもう一方をみつめたまま動かないことがある。
何事かと聞いてみれば一度だけ坊ちゃんが「…死んでいるんじゃないか」などということを言っていた。
もちろん冗談じみて皮肉を帯びてはいたけれど。
きっと本音だったんだろう。
二人とも寝息が静かだから注視しなければ息をしているのかがわからない。
だから不安を抱いて、何事もないことを確認しててからようやくもう一度、眠りに落ちる。
…お互い口にはしないけれど、「あの出来事」はやはり大きな痛手だった。
一度命を落としてしまったということは、ひょっとしたら次はいつそういう状態になるかもしれないと自負させてしまったのかもしれない。
あるいは「自分だけ生きていたら」という怖れがあるのかもしれない。
もちろんそれぞれの心の深い場所までは僕がわかるはずもない。
それでも、時が経つごとに少しずつ好転はしていくはずだから。
今は、安心して眠っていてください。
…僕がちゃんと見てますよ。
街へ到着
シャル日記その12**
とりあえず、着いたノイシュタットでこの18年間を確認するために情報収集を開始した坊ちゃんたち。
「18年後って言われても…実感ないしほとんどパラレルワールドな感じ…」
「僕らの時間はほとんど経ってないのだからしょうがないな」
「この歴史書も随分デタラメというか…何か、歴史書って言うより童話みたい」
「でたらめでもないだろう。僕は裏切った。事実だ」
「…」
そう、歴史は多くを語らず坊ちゃんがヒューゴについた本当の理由も伝えられてはいないから、きっと彼女はでたらめだと思っている。
けれど、坊ちゃんの中ではつじつまは確かにあっていた。
「っていうかね、この挿絵がおかしすぎ。何、この英雄スタンは。笑えるよ」
「人の話を聞いているか?」
『君もね…学者やら剣士やら本によって物凄い表記の違いがあるみたいだよ』
「おぉ、謎の人。ってやつ?…何かしてやったりだよね」
あ、何か今、脈絡もないのにハロルド博士のことを思い出した。
とりあえず、着いたノイシュタットでこの18年間を確認するために情報収集を開始した坊ちゃんたち。
「18年後って言われても…実感ないしほとんどパラレルワールドな感じ…」
「僕らの時間はほとんど経ってないのだからしょうがないな」
「この歴史書も随分デタラメというか…何か、歴史書って言うより童話みたい」
「でたらめでもないだろう。僕は裏切った。事実だ」
「…」
そう、歴史は多くを語らず坊ちゃんがヒューゴについた本当の理由も伝えられてはいないから、きっと彼女はでたらめだと思っている。
けれど、坊ちゃんの中ではつじつまは確かにあっていた。
「っていうかね、この挿絵がおかしすぎ。何、この英雄スタンは。笑えるよ」
「人の話を聞いているか?」
『君もね…学者やら剣士やら本によって物凄い表記の違いがあるみたいだよ』
「おぉ、謎の人。ってやつ?…何かしてやったりだよね」
あ、何か今、脈絡もないのにハロルド博士のことを思い出した。
いつかまた
シャル日記その13**「桜、咲くのにもうしばらくかかりそうだね」
「あぁ」
「…ついこの間見たばかりだから、何かまた見られるというのは得をした気がしない?」
「咲くまで滞在しないぞ」
「そうだね。じゃあまた咲く頃に来よう」
「…気が向いたらな」
ノイシュタットは差別のない街になっていた。
イレーヌの最期を知らない坊ちゃん(だが、予想はつくだろう)がどんな気持ちでその光景を見ていたのかはわからない。
だが、少なくともこの街では彼女の評価は目を当てるほどには酷くない。
それが救いだった。
それから、桜の木が、
降り注ぐ外郭からまぬがれて残っていたことも。
またいつか、3人でこの桜を見上げる日が来ることを願おう。
史実と事実
「ふーむ、一8年前の騒乱の記述はどれも似たり寄ったりだなぁ」
「おい…」
『どうしました?』
「この本では、お前は男ということになってるぞ?」
「どれどれ~あ、ホントだ。根拠のない口伝えって恐ろしいね」
「もう少し動揺しろ」
新たな「でたらめ項目」にまるで他人事のように面白がっている。
坊ちゃんの方が、呆れて顔をしかめているけれど…
二人とも。
何気にさっきからそんなところばかりみつけて楽しんでない?
「おい…」
『どうしました?』
「この本では、お前は男ということになってるぞ?」
「どれどれ~あ、ホントだ。根拠のない口伝えって恐ろしいね」
「もう少し動揺しろ」
新たな「でたらめ項目」にまるで他人事のように面白がっている。
坊ちゃんの方が、呆れて顔をしかめているけれど…
二人とも。
何気にさっきからそんなところばかりみつけて楽しんでない?
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