--OverTheWorld.15 強襲 -
公園は城の東にあり、通り一本で城門前へ出る。
城の塀を右手に進んでいくとやがて開かれた巨大な門扉が見えた。
「あれ…?」
「!」
見覚えのある姿をみかけ思わずジューダスと
シン
は足を止めた。
門兵の前を毅然と通りすがったそれはエルレインだった。
あんな格好なのでかなり目立つ。
しかも供も連れていないので不自然なこと極まりない。
彼女にしてみれば、人気のないところまで行けば瞬間移動ができるのだから一応コートなど纏っているのは形だけ、なのだろう。
こちらには気付かず、エルレインは大通りをまっすぐに英雄門の方へと消えていった。
「どうしてエルレインがここに…」
呟きながら思い出す。
彼女は、ファンダリアの管理しているレンズを欲しているはずだった。
「とにかくカイルたちと合流しよう」
早足に城へと向かうジューダス。
危惧を抱いて謁見の受付の兵士に訊くと、彼女はアタモニ神団からの使者としてウッドロウに謁見をし終えたところだと言う。
とりあえずの穏便さに一息ついたのも束の間、続けてカイルたちのことを尋ねると「英雄の息子のカイルさん」という兵士たちのどこか浮き足立った反応に
ジューダスは仮面の下で眉をひそめた。
エントランスへと入ると待っていたのは呆気にとられそうなほど能天気な展開だった。
「あっ…ジューダス!
シン
!!」
奥の広い階段から降りてきて、2人をみつけるや笑顔で駆け寄ってくるカイル。
ロニとリアラも一緒だ。
「聞いてくれよ!ウッドロウさん、やっぱすっごい人だったよ!そこにいるだけでなんかこう「英雄〜っ!」て感じなんだよ!
でも、全然威張らないし気さくな人でさ!オレのこと、自分の子供みたいだって!」
まくしたれるようにカイル。興奮冷めやらぬように語りは止まらない。
「しかもだよ!
『彼は親から英雄の素質を確実に受け継いでいるようだからね』
だって!英雄王に期待されちゃうなんてさ!ははは…っ」
その浮かれた様子にジューダスは、静かに首を振った。
「やれやれ、思ったとおりだ。」
「えっ?」
「気付かないのか?ウッドロウも兵士たちもお前のことなど見てはいない。
おまえの後ろにいるスタンとルーティを見ているだけだ」
ジューダスは淀みなく的確にそれを指摘する。
兵士の対応からして彼らがスタンとルーティの名前を使ったのは明らかだった。
「親から受け継いでいると言うウッドロウの言葉が証明している…違うか?」
「あ…」
もしもロニがスタンのコネを使う現場に居合わせたら、
シン
だって疑問を感じていたことだろう。
未来の英雄だと言われること。確かにそれは名誉なことだ。
しかし、それが初めて会った人間に、それも親の威光を借りてちやほやされたところで一体何になるだろうか。
友人のことにしろ自分のことにしろ自らそれを主張することには、残念ながら
シン
も共感はできない。
ただ、純粋に喜ぶカイルに今ここでそれをつきつけるのは気が引けてしまう。
それをこの場でジューダスははっきり教えようとしているようだった。
言われていることにようやく気付いたのかカイルの顔から笑顔が消える。
それからジューダスは、その後ろで心配そうながらも沈んだ表情で黙り込んだままのリアラへ顔を向けた。
「リアラ、結局ウッドロウはお前の求める英雄だったのか?」
続くのは返事が返るより先に確信を持った彼自身の言葉。
「違ったのだろう?でなければカイルと一緒にでてくるはずはないからな」
「えぇ…」
「新しい手がかりも…その顔を見る限りなさそうだな。
それだというのにおまえは一人で浮かれていていい気なものだ。
ウッドロウにおだてられ、城の兵士たちにちやほやされ、さぞ、気分が良かったことだろう。
だが、仲間のことも考えられんヤツが英雄になど、なれはしない。
…決してな」
言われればそれが理解できない人間ではないのだ。
天にも昇る気持ちから、まさしく叩き落されたようなものだっただろう。
耐え切れないように城から1人で飛び出して行ったカイルをリアラが戸惑いながらも追ってくれた。
残されたロニは、激昂したようにジューダスに詰め寄る。
「お前の言うことは正論だよ。だが、それにしたって言い方ってもんがあるだろう!」
「初めにその話を兵士に持ち出したのはお前じゃないのか?」
図星を指されたロニは言葉に詰まるしかなかった。
カイルの立場を利用した。
結果的にカイルがああなったのは自分のせいであると、今更ながらに気付いたのだろう。
ロニが悔いた表情を大理石の床に落として静かになると、ジューダスは密やかに溜息をついた。
「あいつがなりたいのはただの英雄じゃない。スタンのような英雄…
どんなことがあっても常に仲間のことを思いやる、そんな英雄だ。
だとしたら、ちゃんと言ってやらなくてはいけないんだ。
…例えあいつが傷つこうと。」
「ジューダス…」
おだてられたことを諌めただけではない。リアラのことも考えて、だ。
憎まれ役を買って出た、そのことに気付いてか、ロニはつらそうな視線を仮面の少年へとそそいだ。
「カイルなら大丈夫。立ち直りの早さはロニの方が知ってるんでしょう?」
話が落ち着いたとなれば次の問題はカイルの方だ。
かつてあれほど彼がショックを受けていたことがあったろうか(いや、ない)。
そんなわけで残ったロニとジューダスのテンションも下がり気味だったが、歩き始めて
シン
がそう言うとロニの口元に苦笑が浮かんだ。
冗談抜きで今頃はリアラとデートでもして立ち直っていることだろう。
「とにかく探さないと…」
「あっち」
「西門?」
「じゃなくて、あれ」
ふいに
シン
が首を廻らし空を指差す。それを追ったロニの視線は上空へと釘付けになった。
ものすごいスピードで鈍色の空にあった黒い点が大きくなっていた。
それはやがて風を伴ってハイデルベルグ上空へ向けて一直線に滑空を始めている。
「な、何だあれは!!」
「飛行竜だ!なぜこんなところに…… っ!?」
ジューダスが言うや吹雪のごとく雪を巻き上げて黒い影が城の尖塔をかすめ覆う。
吹き荒れた風に身をかばったその次の瞬間、背後で轟音と衝撃が打ち響いた。
「鐘つき塔が…!」
「行くぞ!」
飛行竜の咆哮が低く辺りを揺るがす。
まるで陣取るように瓦解した東の尖塔の上にその黒い翼がたたまれていた。
「飛行竜って…今、どこが管理してるの?」
「アタモニ神団に接収されているはずだ。まさか…エルレインの仕業か?」
今の状況では彼女の仕業と断定するのは早計だが、逆を言えば彼女以外に思い当たる節も無い。
先ほどの不自然な登場もあってかジューダスは仮面の下ですっと瞳を細めた。
「カイル!リアラ!!」
「何があった!?」
「わからないよ、急にあれが突っ込んできて…!とにかく行こう!」
記念公園近くの裏門付近でカイルたちとは合流できた。
何があったのかもうすっかりいつのも調子でカイルは先頭に立って塔へと駆けて行く。
混乱に陥った城の門を守る兵の姿はなかった。
「ふー!派手にやったなあ!」
「だが、難攻不落の城もこれではひとたまりもあるまい。戦術としては見事だな」
「…感心してる場合か」
と言いつつもさり気にその上空に陣取っている飛行竜が気になる
シン
。
肩を抑えながらふらりと瓦礫の奥から出てきた兵士に聞くとモンスターが飛行竜から大挙したと言う。
「この襲撃はやはりウッドロウを狙ったものなのか。」
「間違いありません…モンスターを率いた男は王座へ向かって…」
モンスターを率いているのは人間。
不自然さを思わせる事態だ。
一瞬ジューダスは思考を走らせ、カイルはウッドロウを助けようとそのまま崩れた鐘つき塔から城内へと足を運んだ。
兵士たちは奇襲に統制が取れておらず、個別撃破を強いられている。このままでは城下の兵士たちが召集するより早く占拠されてしまう。
今、モンスターが通った後を追う形になっているということは既にウッドロウが危険に晒されている可能性も高い。
豪奢な廊下はもどかしいほど長く感じられた。
エントランスに合流するその入り口には追っ手を想定したのだろう、獣の被り物をした男が白狼のようなモンスターを従え、行く手を阻んでいた。
その足元には城の兵士が何人も倒れ伏して呻き声を上げている。
かなりの手練であることはその余裕をかもす雰囲気からも見て取れた。
「カイル…急がないと…!」
「邪魔をするつもりなら、力づくでも通してもらうぞ!!」
それでも立ち止まっている場合ではない。
一度は足を止めたカイルだったが言うなり全力で気合と共に切りかかった。
しかし、次の瞬間には一閃のもと弾き飛ばされてしまう。
それも剣圧で、だ。細い刀といい身のこなしといいそれは東国アクアヴェイルの剣技に似ていた。
パチリ、と刀を納める鞘鳴と共に狼のような獣面の下から覗く口元が、ひどく気分を害したような呟きを漏らす。
「この城には名乗りも知らぬ無粋な者しかおらぬのか」
「な、なんだと!?いきなりモンスターを連れて襲撃するなんてどっちが無粋だ!」
「ならば参られよ。貴公の信念と我が信念、どちらがより強固か戦いによって証明しようぞ」
「くっ何を悠長に…」
「よせ、お前らでは無理だ。」
ハルバードを両手で握り締め、今にも駆け出さんばかりのロニを制するジューダス。
一見リーチの長いロニの方が有利に見えるがあの手の使い手は居合い抜きなど打ってくるのに間違いない。
力技ではとうてい太刀打ちできないだろう。
「奴の目的は時間稼ぎだ。僕が出る。お前らは隙を見て先に進め」
低くそう言い渡してジューダスは前へ進み出る。視線が真っ向からぶつかった。
「ほう?少しは腕の立つ者がいるか」
「生憎話に付き合っている暇はない。」
対峙するとそれだけで意思の疎通を図ったように満足そうに男は唸った。
それだけ言い捨てると修練でもはじめるように名乗りあう。
サブノックと名乗った男の騎士道精神は偽りではないらしい。
場違いな沈黙が刹那、辺りを支配した。
ジューダスが一瞬の沈黙を破って、素早く床を蹴り双剣を抜き放った。
昼なお城内を照らす燭台の灯かりがちかりと銀光を走らせる。
ギィン!と金属のぶつかり合う音を合図に、直接攻撃に弱いリアラを残してカイルたちは突破を試みる。
「甘い!」
真横に一閃させると剣戟は通路を塞ぐように風を薙ぎ切り裂いた。
悲鳴を上げて後方へ倒されるカイルとロニ。
幸い頭を腕で庇ったため怪我は免れている。
後方から続いていた
シン
は直撃をまぬがれ衝撃を掻い潜った。
同じく衝撃波を躱したジューダスが再び撃ち込むその横を突破する
シン
。
サブノックの視線が取り漏らしたネズミにちらと向いたがジューダスは追撃を許さなかった。
しかし、その間合いを抜ければ背後に控えていた白狼が躍り掛かって来る。
晶術を放つ間はない。剣で相手をしても時間を食うだけだ。
シン
は長らく飾りと化していた銃を抜き放って駆け様に打ち飛ばした。
途端に視界が開け、エントランスに出る。
抜けたのは1人だけだ。
突然の銃声に一瞬呆気に取られるカイルたちの顔が見えたが、
シン
は素早く踵を返して謁見の間へと駆け込んだ。
いつも一歩は早く踏み込むものの及ばない。
謁見の間には…既にバルバトスが居た。
突然の来訪者に、巨漢が振返える。
それにも増して、その向こう。王座に座すウッドロウの瞳が大きく見開かれたのを
シン
は見た。
「ほぅ?また会ったな。小僧どもはどうした」
「王座から離れなさい。貴方にその場はふさわしくない」
バルバトスには得体の知れない威圧感がある。
何も失う者はない者故の底知れぬ強さとでも言うのだろうか。それが本当の強さかどうかは別として、それもまた確固としたものだった。
恐くない訳ではない。戦闘になれば1人で勝てるとも思っていない。
が、時間さえ稼げればカイルたちが来る。
シン
を留まらせようとしないのは、バルバトスの持つ強さとは全く別のものなのかもしれない。
「ふん、虚勢だな。我が望みは…いや、英雄とやらが目前で自分とは無関係な人間がいたぶり殺されてどうするのか見物というものか」
「や、やめろ…!ぐはっ」
現れた彼女の姿を凝視していたウッドロウは王座から体ごと向きを変えたバルバトスに腰を浮かせて叫ぶが、次の瞬間バルバトスの拳の一撃によって再び王
座へと沈められていた。
肘掛けを片手で握り締め激しく咳き込むウッドロウに一瞥を落としてバルバトスは謁見室の入り口へと足を向ける。
「英雄は、弱い者を助けるのものなのだろう?逆境に際しても強運の持ち主とも言える。
さて、いかに弱きを助けるのか拝見させて頂くとしよう」
コツ、と分厚いブーツが大理石の床を鳴らした。
一歩、また一歩と悠然と歩み寄る。
激昂して切りかかっても返されることは目に見えている。
シン
はただ、その時を待った。
「や、めろ…」
肋骨がいかれているのかもしれない。ウッドロウはかすれた声でうめいて立ち上がろうとするが、もがいているに留まっている。
シン
のすぐ目の前まで来たバルバトスは不敵な笑みを湛えたまま片手で巨大な斧を振り上げた。
ガゥン!!
「ぬおっ」
突然手首に走った正体不明の熱に巨大な斧をとり落とすバルバトス。至近距離からの発砲は銃弾を紛いなくにその太い腕へと埋めていた。
彼にとっては蚊に刺されたほどの小さな傷。けれどふいの一撃。
「貴様っ!」
左の腕を降りぬく。その風圧だけでも凄まじいものだ。王座側へ退こうとしていた
シン
はバランスを崩して背中から側面の壁に叩き付けられた。
獲物を捕らえようと先ほどより荒い勢いでバルバトスの手が伸びる。
シン
は、とっさにその額に銃口を向けもう一度───
「ウッドロウさん!
シン
!!」
カイルは開け放たれた扉から、正面に崩れるように座すウッドロウの姿をみつけ叫んだ。
謁見の間へ駆け込んだ、その瞬間だった。
くぐもるような破裂音が響いた。
慌ててそちらを見ると目に飛び込んできたのは見覚えのある暗い青い髪の男と、壁際で右腕を抑え、うずくまって声なき悲鳴を上げている
シン
の姿だった。
床に落としたその手元に見る見るうちに赤い血溜まりが広がっていく。
「貴様ぁっ!」
バルバトスが無機質な視線で振返った瞬間にジューダスが切り込む。
バルバトスはまるで宙を滑るように王座の前に移動してジューダスの剣は空を切った。すばやく身を翻して構えるその横にカイルたちも並び囲んだ。
「これはご挨拶なことだ。俺は何もしていないぞ。暴発などと興ざめな結末、語るに落ちる」
笑いもしない、どこかつまらぬと言いたげなその発言は本気のようであった。その視線がウッドロウへと返り、憤然と歩み寄った。
「これが英雄か。俺を失望させてくれたものだ…力なきものはそのまま死ね」
「やめろーーー!!」
「ぐわあぁっ!」
カイルの声とウッドロウの叫び、そして肉を斬る生々しい音が謁見の間に響く。
「くそっ許さないぞ!絶対!!」
「俺の目的は達した!あとは、あの女が勝手にすること。さらばだ、カイル=デュナミス」
噛み付きそうな形相で言い放ったカイルを冷然と見下し、バルバトスはストレイライズ神殿でそうしたように、歪んだ空間の向こうへと掻き消えた。
「あの女?一体誰のことだ…」
「しっかりしろ、ウッドロウ!!」
リアラが
シン
へ回復の晶術を施そうとしていることを確認してジューダスは王座に崩れるウッドロウに呼びかける。
呼びかけながら確認すると、心配そうに集ったカイルとロニへ向かって言った。
「傷は深いが、かろうじて急所は外れている。大丈夫だ、これなら助かる」
しかし緩まない表情は切迫した状況であることを示していた。
「おい、誰か医者を呼べ!!」
ロニが謁見室の入り口から階下へ向かって叫んでいる。
司令塔だったのかサブノックを倒したことでモンスターたちは散っていた。城内は混乱しているが、すぐにここへも衛兵が駆けつけてくれるだろう。
「フィリアさんに続いて…ウッドロウさんまで…」
シン
からウッドロウを優先するように言われたリアラはその詠唱の手を止め、躊躇いながら王座に歩み寄る。
こちらは一刻を争う致命傷だ。
どこまでできるかわからないがリアラは治癒の晶術を施そうと手を伸ばす、その口元から呟きが零れ落ちた。
「このままでは時の流れに大きなひずみが生じて…
…!まさか、これは全部あの人の仕業なの!?」
「だとしたらなんだというのかしら…リアラ?」
自らの叫びにはたと顔を上げたリアラの背中に、独特なゆっくりと韻を踏む声が投げかけられた。
ばっと勢い良く振返ると謁見室の赤い絨毯の中央、中空に白い光をまとってエルレインが現れている。
「なるほど…実に彼らしい。どんな英雄であれ、容赦はしないと言うことか…
素直にレンズを渡していればこんな目に会わずに済んだものを」
「エルレイン!あなたは間違っているわ!こんなやり方で人々は救えはしない!」
「では、おまえはどうするの?
いまだに何も見出せないお前に救いが語れるとでも言うのか?」
「そ、それは…」
強い口調で言い放ったリアラだったが、波風の無い穏やかな声で…しかし有無を言わさぬ口調でそう言わしめられ口ごもった。
「人々の救いは神の願い。
それを邪魔するものは誰であれ容赦はしない。そう、例えお前でもだ、リアラ」
途端に底冷えするような韻を含んだエルレインの声と共に白い光がほとばしる。何度か見た「奇跡の光」だった。
優美な動きでエルレインが指先リアラへ向けると光はいよいよ膨張して鋭さを増す。
「いやっやめて!私にはまだここで果たすべき使命が…!」
「未だに何も見出せぬものに、ここにいる意味は無い。帰るがよい、弱き者よ」
「リアラ!!」
リアラの悲鳴がいつしか眩い光の渦となったその中へ消える。咄嗟にカイルがそれを追った。続いてロニも。
しかしジューダスは躊躇した。
瀕死のウッドロウ、そして怪我を負った
シン
。いずれにしてもこのまま置いていくわけにはいかない。
かといって追わなければ足取りは途絶えてしまう───
「ジューダス、行こう」
「っ!どうなっても知らんぞ!!」
突き動かされるようにジューダスは腕を抱え込むようにして立ち上がった
シン
を連れて収束しようとしている光へと身を投じた。
光の奔流は、やがて彼ら全員を飲み込むのを待っていたかのように、消えた。