36.天秤
結局レアバードはレネゲードに先んじられ、回収できなかった。
替わりにエレカーにウンディーネの力を与え、水上走行で海峡を渡ることになる。
小型艇なだけにロイドなどはじめははしゃいで酔っていたが、始終顔が固まっていたリフィルよりマシなものだろう。
そのままリフィルたちとケイトを引き合わせ、約束どおりプレセアを実験台から開放してもらった一行はオゼットを目指すことになっていた。
元々プレセアを送り届けることもある。
けれどそれにも増して、一行はオゼッタの先に住むというドワーフのアルテスタを訪ねる必要が生じていた。
ケイトの手がけたプレセアを素体とするプロジェクト。それは「エンジェルス計画」と呼ばれ、エクスフィアの輝石を時間をかけてクルシスの輝石に仕上げるためのものだった。
通常のエクスフィアと異なり、ゆっくりと人体に寄生をさせる。
するとエクスフィアはクルシスの輝石になることがあるという。
ただし、寄生が進めば感情も鈍磨し、人間としての感覚は失われていく。
その無表情さも重い神木を引きずる力もそれが輝石になりかけたエクスフィアの力であるとすれば納得がいった。
しかし実験が成功してもしなくても最後には死んでしまう。
そんな状態を知って捨て置くことはできない。
プレセア自身への心配はもとより、ロイドにとってはコレットのことも母親のこともあった。
クヴァルの口走った言葉とそれが同じものだったのだから。
「エンジェルス計画」
白羽の矢はおそらくたまたま適合した人間に、立てられた。
たまたま、適合したというだけで要の紋がないエクスフィアに寄生され、命を奪われる。
それがロイドにとってはやるせない事実であった。
しかしプレセアはまだ間に合う。
輝石をコントロールするために要の紋があればあるいは…ということでテセアラのドワーフを訪ねようというところだった。
オゼットはサイバックより更に東…ガオラキアの森を抜けた先にある。
森閑の村とも呼ばれ、ゼロスの率直な失言によれば「ど田舎」であるらしい。
あわてて言い直してみたところで田舎は田舎。
閑静な住宅村とか言われるよりわかりやすい表現でもある。
ただ、問題なのはその手前のガオラキアの森で、ここは迷いの森とも言われている。
魔物が出るのももちろんだが、何人もの人が死んだとか死なないとか…
とっとと出て行きたい。
そんな風に思っていたが出るどころか入り口で彼らは足止めを食らうことになる。
教皇騎士団が待ち伏せていたのだ。
片っ端から殴り倒して森に逃げ込んだものの、それはそれで迷子になりそうな鬱蒼とした森だった。
「なんか…寒気がする」
「昔はこのガオラキアの森も普通の森だったんだぜ」
寒気がするのは単に多湿で陽のあたらない場所のせいだろうが、歩いているだけだと暇なのかゼロスが唐突に語りだした。
「ふーん、そうなの」
興味なさそうにジーニアス。
「ところがな、ある日盗賊が盗んだ財宝を森の奥に隠したんだ」
「ありがちな話だね」
「どんな財宝なんだ? 」
違う意味で興味を引かれているロイド。
「時価数十億ガルドって宝石だよ。で、そいつを狙ってくる連中を片っ端から殺していったんだ」
「うわ…残酷…」
「いつしか森は血で汚れて、殺された人々の怨念が巣くう呪われた場所になった」
「 …うぇ…マジ?」
「 …ま、またー。どうせからかってるんでしょ? 」
真骨頂になってきているのか、はじめは興味のなさそうなジーニアスも徐々に話に傾倒しているのか声が震えていた。
ちなみに
のすぐ前で繰り広げられる談話なので無論、すべて聞こえている。
「今でも森に入ると、盗賊の幽霊が旅人を殺そうとするんだ。そして盗賊に殺された人々も仲間を増やそうと…」
「わぁ!」
「「 うわぁぁぁぁぁぁ!! 」」
場所が場所だけにあまりそういう話も聞きたくないのでゼロスを殴るか、横槍を入れるか迷ったがどうせなら穏便にと後者をとってみた。
すると見事にジーニアスとロイドは悲鳴を残してすっとんでいった。
「……」
「何をしてるんだ、お前は」
「今時、こんな話三歳児だって信用しねぇって…」
じゃあ三歳児に話してみやがれ、と思ったが知り合いに三歳児はいないので無理そうだった。
「ロイド、待って!!人の声が聞こえるよ!」
「や、やめろよ、コレットまで!」
「いや、本気だろう?
コレットの聴覚が僕たちより優れているのを忘れたか」
「あ、そうか…」
ようやく素に戻って頭をかく。
「それで、声って?」
「えっと…あっちから、もうすぐ近くです」
言われると同時に茂みの向こうに甲冑を着込んだ一団が現れた。
教皇騎士団かとすばやく各々の武器に手をかける一行だったがそれを止めたのは意外にもゼロスだった。
「?なんだよ」
「あれは王立騎士団だ。話ができない相手じゃねーぜ」
そうしてすたすたと相手の下に向かっていく。
道順としては「戻る」形になる。
どう考えても追って来たのだろうが、ゼロスが敵意なく受け入れられたのを見てロイドたちも引き返した。
「ご無事でしたか、神子殿」
「いや、あんま無事じゃねーけどよ。そっちの方はどうだ?何か変わりは」
「王が病床に臥せってしまい教皇が実権を握ってしまっています。
我々も追撃の命令は受けていますが…」
騎士たちの剣は鞘に納まったままだ。
大方、教皇騎士団とはあまりよろしくない間柄なのだろう。
見逃してくれるようだった。
「教皇騎士団も追っ手を放っています。こちら側の道は我々が何とかふさぎますので先をお急ぎ下さい」
二言三言と言葉を交わして隊長と思しき男が敬礼をした。
後ろの騎士たちも習って額に手をかざす。
「どうぞご無事で」
彼らはその場にとどまってロイドたちから見えなくなるまで見送っていた。
* * *
それは突然の出来事だった。
暗いガオラキアの森も終わりを告げるその近く。
ざっと枝葉が音を立てる。暗い森の中になお暗い影が降り、ゼロスの短い悲鳴が響いた。
「動くな、動けば神子が死ぬことになる。それでもいいのか?」
一瞬モンスターと見間違えた。
それほど巨漢のがっしりとした体格の男がゼロスを背中から踏みつけにしていた。
はちきれそうな上着にわずかに癖のかかった長い水色の髪をそのまま背に流している。
無骨な表情に、何より異質なのは両の手にはめられた枷。
男はまるで囚人のように枷をはめながら片足でゼロスを踏みつけているのだ。
大きなこげ茶のブーツの下でからだをばたつかせているが、それ以上ゼロスが身動きがとれないところをみると相当の力なのだろう。
「おいおいおい神子にこんなことをしていいと思ってるのかぁ?」
それでも負けじとゼロスはいつもの緊張感に欠ける声を出した。
「世界滅亡を企むものは神子などではない」
「あっそ。おーいロイドくーん、俺さまを見捨てたら化けて出るぞ〜!」
男が聞かないと見て速攻助けを求めるロイド。
呆れる仲間たちの中で
がひとつため息をついた。
「助けるか」
「どうした?珍しいじゃないか。」
「化けて出られたら鬱陶しいでしょう?」
なるほど。とジューダスも納得したがロイドは呆れたまま
「そうか?今、俺は猛烈に見捨てたくなったけど」
それに反論した。
唯一まともな反応をしたのはプレセアだった。
彼女は隙を突くと巨大な戦斧を真横に薙ぐ。
遠心力で破壊力は凄まじいものだが、ゼロスの上を通ったそれは空振りに終わっていた。
「た、助かったー」
「抱きつくなよっ 気持ち悪いなぁ!」
素晴らしい速さで仲間の元に戻ってロイドの後ろに隠れているゼロス。
これが神子というのだから嘆かわしい。
「お前は…!」
そんな一行の想いをよそに顔色を変えたのは男の方だった。
目の前に斧を携えるプレセアを見下ろして驚愕にも似た表情を浮かべている。
何か言いかけて手を伸ばすがプレセアは構えた斧を容赦なく振るうだけ。
「やろうってんならかかってきなよ!」
「私はお前たちと戦うつもりはない。その娘と話がしたいだけだ」
男は手のひらを返したようにしいなの挑発を受け流した。
「プレセアと?」
「冗談じゃない。今僕たちを襲ったくせに!」
狙われているのがプレセアと知って、これ以上ないくらいの声でジーニアス。
「他の者たちは知らないが少なくとも私はお前たちの命など狙っていない。
私が命じられたのはコレットという娘の回収だ。今はお前たちに危害は加えぬことを約束しよう」
あまりの態度の豹変ににわかには信じられないが、考える余地はある。
どうするか、という空気が仲間たちの間にも広がる。
「あ、また…」
その時だった。
「どうしたの?」
コレットが耳をそばだてるように森の奥を見た。
そちらは今通ってきた道とはまた別の道だ。
暗い森の中から外に出るための道でもあった。
「…遠くから足音が聞こえます」
方向からも王侯騎士団でないのは明らかだった。
しいなが地面に耳をつけてじっと伺う。
「ほんとだ。鎧の音もする。たくさんいるみたいだね、あっちから聞こえるよ」
「まずいな、あっちはアルテスタが住んでる方だ」
「まさか教皇騎士団の連中か?」
ロイドもその音を聞こうとするが、まだ遠いらしく気配も微塵も感じられなかった。
「コリンを偵察に行かせるよ」
しいなの声に反応して煙とともにコリンが現れる。
たたっと見た目よりも早い速度でコリンは森の奥に消えていった。
木々がざわめいたのはその時。
手枷こそはめていないが今度こそ明らかに囚人といった服を着てはだしのままの男たちが茂みから現れた。
その手には枷の代わりに棍棒やナイフ、ナックルといった武器が覗いている。
「なんだい!?」
「大人しくしてもらうぜ、お前らを捕まえれば俺たちは自由の身だ」
「なるほど、恩赦というわけか」
教皇の追撃もなぜここまでというくらいだ。
ガラの悪い囚人に恩赦を使ってまで追跡するというのも険悪な話。
ははじめに現れた男を除けば一様に卑下た面の囚人たちに眉をしかめる。
無論、烏合の衆がいくら現れたところで止められるはずもなく、あっという間に戦いは収束しそうだった。
手枷の男はかかってこようとはしない。けれど
「エクスフィア?!お前も被害者なのか!!」
プレセアののど元に光るエクスフィアを見てとたんに鬼神のごとき顔になった。
「おのれ…!」
「なんなんだよ!いきなり!!」
危害を加えるつもりはないといいながらの豹変振りに蹴りかかられたロイドが悲鳴を上げる。
思ったより素早い身のこなしだ。
足技ひとつにロイドがかわすので精一杯位なのだから。
「おいおい、勘弁してくれよな〜」
ゼロスは気のない声の割に魔術を発動させて足を止める。
そこへジューダスが切り込み、その強靭な腹部へシャルティエを叩き込んだ。
といっても峰打ちだ。
どうやら事情がありそうなのは十分わかる態度だった。
「ぐ…」と唸りを上げて男はどうと倒れた。
他の囚人も打ち負かしたその時、コリンがけむりとともにあわられ大きなしっぽをそばだてる。
「しいな!たくさん兵士がいた。みんなこっちにむかってる。急いで逃げて!」
「今度こそ教皇騎士団か」
軽くしたうちとともに嫌々そうにゼロス。
「コレットの耳は正確だね。」
「うん、足音…どんどん大きくなってる」
少しだけ集中するようにコレットは瞳を閉じて耳を澄ました。
「まずいんじゃねえの?」
「でもこのまま戻ったって教皇騎士団がいるだろ」
「挟み撃ちってことかい…仕方ない。ミズホの里に案内するよ」
ミズホの里は秘密の隠れ里だ。
それでもそれしか当面の厄介ごとを回避する方法はなさそうだった。
「そうだな、頼むよしいな」
「じゃあゼロス、そのでっかい男をはこんどくれ」
「俺様が?つーかなんで連れてくんだよ」
「事情があるようだし捕虜、というのもいいんじゃないかしら」
他の囚人は見事に烏合の衆だ。
勝ち目がないと悟るや遁走して誰一人いなくなっていた。
リフィルに言われてしぶしぶ倒れた男の傍に座り込む。
「こんな大男俺様一人で運べるかっつーの」
誰にともなく愚痴った。
その愚痴を唯一救済したのがコレットである。
「私、手伝うね。ゼロス一人じゃ大変だもの」
「コレットちゃんは優しいな〜。同じ神子同士仲良くしような」
「うん、そうだよね」
言った直後だった。
彼女は身の丈2mはありそうな男を…それも太さで言ったらの1.5倍はありそうな屈強な男をひょいと片手で持ち上げてしまう。
「「「「!!!」」」」
「思ったより軽いみたい〜私一人でだいじょぶだよ」
その前に自分の身に起こっている変化に違和感を覚えた方がいいのでは…
今更思ってみたところで遅かった。
「はは…そう…」
「ほら、とっとと行くよ」
クルシスの輝石の力は、大の男の面子を丸つぶれにするものらしかった。
* * *
ミズホの里はガオラキアの道なき森を抜けた先にあった。
方向的に言えば森の南の方だが、ガオラキアのどこをどう通ったのかはわからない。
里は山すそにひっそりと佇み、シルヴァラントの町とも、テセアラの町とも違う雰囲気を漂わせていた。
建物はレンガではなく、壁土を用いたもので屋根も萱吹いたものがほとんどだ。
女性や子供は貫頭衣を身に付け、腰の辺りで紐を縛っている。髪の長いものは頭の上に結い上げ、男性はそれにズボンをはいて畑で精を出しているものが多かった。
しいなはまっすぐに頭領の家に案内すると、土色の道を先頭に立って歩いた。
頭領の家は村の中心付近にあって、中に入るとあまりの文化の違いにロイドたちは驚きを隠せないでいる。
にとっては予想通りであったが、靴を脱いで家に上がるという習慣がこの村にはあった。
なんとなく居心地に違和感を覚えながらも全員が落ち着くと、頭領ではなくタイガと名乗る男が彼らの前に現れ正面に座す。
背筋をぴんと張ってそのいかにも規律の正しそうな相手にロイドたちもしゃきりと背を伸ばした。
さすがに正座というものはするでもなかったが。
「しいながおぬしらを殺せなんだことによって我らミズホの民はテセアラ王家とマーテル教会から追われる立場となった。これはご理解いただこう」
思ったとおりの筋の通った声音でタイガは告げる。
これにショックを覚えたのは他でもないしいなだった。
「そんな…本当なのかい」
「まちがいない。そのような話になっていた」
確認しあってからもう一度まっすぐにタイガは姿勢を正した。
「そこで問いたい。
シルヴァラントの民よ。おぬしらは敵地テセアラでなにをするというのか」
「俺もずっとそれを考えてた。ある人にテセアラまで来て何をしているのかって聞かれて俺はどうしたいのかって」
ロイドは一瞬だけ瞳を伏せたが、次には迷うことなく己が考えを述べた。
「俺はみんなが普通に暮らせる世界があればいいとおもう」
声はひときわ大きく、圧倒するようにはっきりと告げる。
言っていることはなんでもない普通のことなのに、今、この世界はそれがない世界に違いなかった。
「誰かが生贄にならなきゃいけなかったり、誰かが差別されたり、誰かが犠牲になったりそんなのは嫌だ」
「おぬしは理想論者だな」
しかし返ってきたのは厳しい現実の声。
「テセアラとシルヴァラントは互いを犠牲にしている世界だ。
その仕組みが変わらぬ限り何を言っても詭弁になろう」
「だったら仕組みを変えればいい」
それには
も同感だった。
異次元に重なり合う二つの世界。
だがどこかで繋がっているのなら少なくともそれを断ち切ることで何かが変わるだろう。
あるいはうまく繋げることができるかもしれない。
「ふはは、まるで英雄ミトスだな」
タイガは卑下するでもなくただ小気味良さそうに笑った。
決して相容れなかった二つの国にともに生きていく方法があると聡し古代大戦を終結させた。
既に伝説の中にしか名前はないが、彼はタイガに言わせれば気高き理想主義者だった。
「おぬしはそのミトスのようになれるというのか?」
「俺はミトスじゃない。俺は俺のやり方で仲間と一緒に二つの世界を救いたいんだ」
「なるほどな古いやり方にはこだわらないというわけか」
ふ、とタイガの口元がほころぶ。
木材に支えられる開け放たれた窓から一陣の風が入って頬に触れた。
「では我らも新たな道を模索しよう」
「副頭領、まさか」
「うむ我らは我らの情報網でおぬしらに仕えよう」
「は、つまりは俺らと王家たちを秤にかけてたって訳か」
「それは違いますな、神子様。見定めるには時間がかかる。そういうものです」
そのかわり、とタイガはロイドを見た。
「二つの世界がともに繁栄するその道筋が出来上がったとき我らはシルヴァラントに我らの住処を要求する」
「要求するって言っても俺に決定権があるわけじゃ」
「なに、我らミズホの小さなひっこしを手伝ってくれればいいのだ」
タイガの微笑には年少者に向ける気遣いが垣間見えていた。
ミズホの選択はもう、決まっているようだった。
「みんな、いいか?ミズホと組んでも」
「それで二つの世界の関係が変わるなら」
「まぁ、悪い取引ではないわね」
断る理由はないだろう。ジューダスと
が無言頷くと、コレットとリフィルが答える。
「さっさと話をまとめてはやくプレセアを助けてあげようよ!」
ジーニアスの理由はわかりやすかった。
最後に意見を求められて、座ることに居心地が悪かったのか入り口近くの柱に背中を預けていたゼロスがなぜかふっとため息をついた。
「俺様はテセアラが無事ならあとはお前らの好きにすればいいと思うぜ」
どこか投げやりな口調だった。
「しかしタイガさんよ、そうすっと王家と教会を完全に敵に回すことになるぜ」
それが彼のどこか反発的な態度の原因だったのだろうか。
ゼロスはうさんくさそうなものでも見るように疑問をなげかける。
慎重、というにも違う態度だった。
「では神子様にお尋ねしよう」
それも質問で返されてしまうのだが。
「二つの世界の一方を犠牲にする勢力と、二つの世界を生かそうとする勢力。神子様ならどちらに付かれる?」
「有利な方。…といいたいがまぁ普通は生かすほうに力を貸してやりたいわな」
はゼロスの物言いにひっかかりを覚えていた。
彼は必ずしも自分の意見を言ってはいない。
いつも「普通は」「例えば」といった言い回しなのだ。
それがこの場になってなぜか唐突にはっきりとした違和感に変わっていた。
それでは普通はそうだが、自分は…というようではないか。
それがここでへろりと出た本音を聞いたようで、はじっとゼロスの挙動をみつめる。
しかし、誰もその微妙な言い回しには気をかけてはおらず
タイガはひとつ頷くと
「そういうことです」
と同意し、レアバードの発見に全力をつくすとロイドに向かって伝えた。
「本気、なのかねぇ…」
ぽつ、と呟いたその声を聞きとめたのも、
の他には誰もなかった。
